本記事では、差圧感応式と呼ばれる換気口について考察してみたいと思います。
図面にある差圧感応式って何?
一条工務店の図面に、「差圧感応式」という表記があり、これは換気性能上必ず設置しなければならないものです。

実物は下記写真のようなもので、この蓋を開けてみると、ビックリすることに断熱気密に拘っている一条工務店であるにも関わらず壁に大穴が開いており、キッチンの換気扇をオンすると度に負圧で開口して、換気をする仕組みになっています。

マンションやアパートでも多様されている第三種換気と呼ばれるもので、負圧を利用して換気をしているものです。穴の向こうに見えるのは外です。

第3種換気システムとは、給気を自然換気、排気を機械換気で行う方式のことを指します。

一条工務店などの大手ハウスメーカーでは第1種換気を採用しており、給排気を機械で行い、熱交換機を備えて熱損失を最小限にした換気システムを構築しているため、非常に快適な室内空間を実現できます。

(引用元:日本住環境(株))
しかし、なぜかキッチンの換気扇に対する吸排気は、この原始的なやり方がまだ採用されているのです。気密測定をする際にも、ここの部分はフタをして実施しているので要注意です。
この換気口が嫌だからと蓋を閉じてしまうと、キッチンの換気扇を動作させた際に室内の空気が減少し、外部との圧力差が大きくなることで、玄関のドアが重くて開けられない、といった現象が発生してしまいます。
差圧感応式換気口の位置には注意しよう
私は間取りが完成するまで、この存在に全く気付きませんでした。ふと何だろう?と最終図面チェックをしていた際にネットで調べて気づいたわけです。。。
何がデメリットかというと、私の場合の間取りですと、冷たい外気がリビングを横断してしまい、せっかくの断熱性能が台無しになってしまうからです。

設計士からも何の事前説明もなく、非常に残念でしたが、最終局面で何とか場所を移動してもらいました。設定する場所が多い例としては冷蔵庫の上部らしいのですが、私の場合はNGでしたので、オープンステアの下側に設置をしました。


設計要件は、レンジフードの換気口(=空気を外に吐き出す)と、差圧感応式の換気口(=外気を取り込む)の寸法が910mm以上で、これがショートサーキットという現象を起こさないギリギリの一条の要件のようです。
ショートサーキットとは、せっかく汚い空気を吐き出したのに、吸入口が近すぎるために、十分に換気がされない現象のことを言います。

(引用元:Genesis)
少しでの騒音を改善するために
一条の自慢は断熱気密、防音性能だと思いますが、残念ながら少なからず、この差圧感応式の換気口から騒音が入ってきます。少しでも差圧感応式の弱点を改善するために、筆者は換気口内部にウレタン消音材を追加しました。
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取付は簡単で、単純に換気口の中に挿入するだけです。外部の音がこもる感じになり、騒音がやや改善されます。筆者もマンション時代に換気口からの音が気になっていたので、道路側ではない場所へ差圧感応式の換気口を移動させました。

まとめ
本記事では、意外に見落としがちな差圧感応式の換気口についてご紹介をしました。断熱性能に拘って一条工務店にしたのに、このような落とし穴があることに驚きました。今後間取り検討をされる際には注意をして、設計士と最適な場所について相談してみてください。今後、断熱や防音性能に課題のある本仕様についても一条工務店側で改善されることも期待したいと思います。
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